離婚協議書を公正証書化するメリットと作成方法
夫婦関係のトラブルが起きた際、解決策を相談できる頼もしいパートナーが弁護士です。
離婚後のトラブルを避けるため、離婚協議書の作成をお考えの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、離婚協議書を公正証書で作成するメリットや作成方法を解説します。
離婚協議書とは
離婚協議書とは、親権や養育費、慰謝料、財産分与など離婚に際して合意した条件をまとめた契約書になります。
弁護士や司法書士などが必ずしも作成する必要はなく、離婚に際して決まった条件を記載し、夫婦のみで作成も可能です。
慰謝料や養育費などの契約内容は、書面に記載された内容に従い支払う義務が発生します。
もし、相手に支払いに遅延が起きた場合や支払いの拒否が起きた場合、離婚協議書の内容で双方が合意したと裁判で立証できます。
お互いの取り決め内容を書類に残し、契約を結ぶことで、お互いに言い逃れができなくなり、離婚後のトラブル発生のリスクを抑えられます。
公正証書とは
公正証書とは公証役場で公証人に作成してもらう書類を指します。
公正証書は法的な効力を持つため、離婚協議書を公正証書で作成すると、契約を結んだ双方に強制力を発生させることが可能です。
離婚協議書の公正証書化には、具体的に以下の3つのメリットがあります。
契約内容を履行されない場合の対応をスムーズに進められる
離婚協議書では、相手が実際に契約内容を守らなかった場合に履行させるには、裁判で勝訴判決を受け、強制執行の申立てが必要となり、多くの手間と時間がかかります。
公正証書に強制執行認諾文言の条項を設ければ、契約が履行されなかった場合に裁判の判決を得ずに強制執行の申立てが可能となります。
トラブル時の対応が、公正証書化によってスムーズに進められます。
契約内容を履行させる意識を強く持たせる
公正証書とすると、強制執行までスムーズに進められるため、給与や財産の差し押さえが比較的容易です。
会社員の場合、社内に給与の差し押さえの事実が伝わるため、社会的信用の低下につながる恐れがあります。
また、不動産を所有の場合は不動産を差し押さえられる可能性もあり、社会的信用や自身の財産を守るため、契約内容を履行する意識が高まります。
原本を紛失する心配がなくなる
協議書原本の紛失のリスクに備えられます。
紛失した場合にも、作成した公証役場で原本が20年間保存されるため、再取得が可能です。
大事な書類の原本紛失を心配せず安心して管理してもらえます。
離婚協議書の公正証書の作成方法
離婚協議書を公正証書にするには時間がかかるため、離婚後では夫婦間の連絡が難しくなる可能性も考え、離婚成立までの作成完了が望ましいでしょう。
また、離婚成立後から財産分与請求は「2年」、慰謝料請求は「3年」が請求期限です。
離婚が決まってからできる限り速やかな作成開始をおすすめしています。
続いて離婚協議書の公正証書の作成方法について解説します。
夫婦間で内容を協議する
夫婦間で契約内容を話し合い、公正証書に記載する内容を決定します。
親権や養育費、慰謝料、結婚後に取得した財産の配分など、公正証書作成後に記載漏れが発覚しないように、契約内容について慎重に話し合う必要があります。
文章案を作成する
記載内容が確定すると、公正証書の文章案を作成します。
効力の持つ公正証書とするには以下の項目が必要となるため、漏れなく記載しなければなりません。
- 離婚合意の事実
- 財産分与
- 親権者の指定
- 養育費
- 別居期間がある場合には、その間の生活費用について(婚姻費用)
- 不倫や家庭内暴力などがあった場合には慰謝料
- 子供との面会
- 年金の分割
事前に公証役場で協議する
文章案の作成ができたら、公証役場と協議します。
実際に公証役場に出向くだけでなく、ファックスやメールでの相談も可能です。
文章案を基に公証役場で、公正証書の正式な文面を作成してもらい、文面の調整を行います。
また、申し込み時に契約内容に応じて書類の提出を求められるため、離婚協議書の場合以下の書類を集めましょう。
- 戸籍謄本
・公正証書作成後に離婚する場合は家族全員が記載されたもの
・離婚済みの場合は双方の離婚後の戸籍謄本 - 離婚協議書(原案)
- 不動産の登記事項全部証明書、固定資産納税通知書
※不動産の所有権の移転が発生する場合のみ - 年金手帳
※年金分割する場合
その他、車や保険を財産分与する場合にも、車検証や保険証書などの用意も必要となります。
公証役場で公正証書を作成する日程を予約
文面の事前協議が完了すると、実際に公証役場で公正証書を作成してもらう日程を予約します。
公証役場で公正証書を作成してもらう
予約日に夫婦双方が必要書類を持参で公証役場に出向きます。
公証人から承認を受ければ代理人の出席が可能です。
公証人が立会いの下で公正証書の読み合わせ、必要に応じて文言の相談と調整して、双方が納得の上で署名と捺印して完成します。
まとめ
離婚協議書の公正証書化は離婚後のトラブル発生のリスクを抑えられ有効な手段です。
しかし、形式だけでなく双方が納得のいく記載内容の公正証書を作成するには、離婚に強い弁護士への相談をおすすめします。