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借金の消滅時効とは?成立するた...

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2026.04.23

借金の消滅時効とは?成立するための条件についても解説

借金の返済が困難になり、債権者からの督促がないまま長い年月が経過した場合、消滅時効を援用することによって借金の支払い義務を消滅させることができます。
しかし、消滅時効は時間が経過すれば自動的に成立するものではありません。
今回は、消滅時効の定義や成立条件などについて解説します。

消滅時効とは?

消滅時効とは、法律で定められた期間内に債権者が権利を行使しない場合、債務者の時効援用によって支払い義務などが免除されることをいいます。
借金の場合、債権者である貸金業者や銀行が返済を要求する権利を一定期間放置していれば、債務者は時効を主張して返済義務を免れることができます。

借金の消滅時効

借金の消滅時効を検討する際、具体的な時効期間と成立条件について理解する必要があります。

借金の時効期間

2020年4月1日に施行された改正民法により、現在借金の消滅時効は以下のいずれか早い方の経過によって成立します。

  • 債権者が権利を行使できることを知った時から5年間
  • 権利を行使できる時から10年間

銀行、消費者金融、クレジットカード会社などの一般的な借り入れの場合、通常は返済期限が定められています。
そのため、返済が滞った瞬間に債権者は権利を行使できることを知ったとみなされ、5年間の時効が適用されるケースがほとんどです。
ただし、2020年3月31日以前に発生した借金については、旧法のルールが適用されます。
旧法では、借入先が営利目的の法人である商事債権であれば最終返済日から5年、個人間の借り入れである一般債権であれば10年の時効が適用されます。

消滅時効の成立条件

時効を完成させるためには、以下の3つの条件をすべてクリアしなければなりません。

  • 法定の期間が経過していること
  • 時効の完成猶予や更新が発生していないこと
  • 時効の援用を行うこと

債務者が借金の存在の承認を行ったり債権者が差し押さえを行ったりすると、時効のカウントは先延ばしになります。
時効を成立させるためには、時効の中断や更新が行われることなく法定の期間が経過している必要があります。
そして、時効の援用という手続きを行うことが重要です。
時効の援用とは、債務者が債権者に対して時効が成立したため債務を支払わないと意思表示することを指します。
この意思表示が相手になされることで、法的に支払い義務が消滅することとなります。
時効の援用は口頭でも成立しますが、トラブルを避けるために強い証明力を持つ配達証明付の内容証明郵便を用いると良いでしょう。

借金の時効における注意点

借金の消滅時効を利用する際には、いくつかの注意点があります。
具体的には、以下のことに気を付けてください。

債務の承認による時効の更新

借金の時効成立を目指すうえで特に注意が必要なのが、債務の承認です。
以下のような言動をとると、その瞬間に時効が更新され、再び5年間のカウントが始まることになります。

  • 借金の一部だけを返済する
  • 支払いを待ってほしいと電話で伝える
  • 和解案を提示したり、書類に署名捺印したりする
  • 債務があることを前提とした返済計画を話し合う

債権者は時効が近くなると、債務者から債務の承認を引き出そうとすることがあります。
借金を認める発言、あるいは推認できるような言動をとると、時効の主張は困難になります。
時効を狙うのであれば、援用の手続きが完了するまで債権者との接触は避けることが賢明です。

裁判上の請求による時効完成の猶予

債権者が裁判所への訴訟の提起や支払督促の申し立てなどといった手続きを行うと、時効はその事件が終結するまでの間完成が猶予されます。
さらに、裁判で判決が確定したり支払督促が確定したりした場合には、時効は確定した日から10年に変更されます。
裁判所からの連絡を無視すると督促に対する不服申し立てを行えずに確定したり、欠席裁判で確定したりするリスクがあるため、早めに弁護士に相談することを検討してください。

連帯保証人への効力

主債務者が借金の時効を援用すれば、保証人の義務も連動して消滅します。
しかし、保証人が単独で時効を援用しても、主債務者の借金は消えません。
また、主債務者が債務の承認をすると、保証人の時効も一緒に止まるという関係性があります。
家族が保証人になっている場合などは、お互いの状況を正確に共有し、足並みを揃えて対応することが重要になります。

信用情報の記録

借金の時効が成立したからといって、その瞬間に信用情報機関の記録が消えるわけではありません。
多くの場合、援用後もしばらくは情報が残り続けます。
ただし、放置しておけば延滞の記録が永遠に更新され続けるのに対し、時効を成立させることで5年程度の期間を経て再びクレジットカードやローンの審査に通る可能性が出てきます。
長期的な視点で信用を回復させるためには、時効を成立させることは有効な手段です。

まとめ

今回は、借金の消滅時効の期間、成立条件、および注意点について解説しました。
借金の消滅時効は、債務者が債務を清算し、生活の再建を目指すために重要な制度です。
しかし、その成立を実現させるためにはいくつかの留意点があります。
長年放置している借金があり、対応に苦慮している場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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